汗やわきがなどの体臭ケアにおいて、衣類への対策を忘れていませんか?
臭いを増幅させ広げたり、臭いが他人に伝わる原因は「衣類」です。
今回は衣類と体臭の関係や効果的なケア方法を紹介します。
体臭が発生する仕組みは?
体臭の原因として汗や皮脂が臭うと思われがちですが、実は、汗や皮脂自体は無臭です。
お風呂場で汗をかいても汗臭くありませんよね。それなのに、なぜ体臭が発生するのでしょうか。
その理由は、汗や皮脂に含まれるタンパク質などの有機物質が、菌により代謝・分解されるときに臭い物質が発生するからです。汗臭、ミドル脂臭、ワキガ臭などの嫌な体臭は菌の繁殖によるものです。
加齢臭は皮膚から分泌された皮脂が酸化することで発生します。
ワキガの臭いは、わきの下・へその周り・陰部など限られた場所に存在するアポクリン汗腺から出る汗が菌に代謝・分解することで発生します。
衣類が臭いを強くする原因になる
発生したニオイは、衣類に蓄積されます。
衣類の中は蒸れるので温度や湿度が高く、付着した汗や汚れなどエサが豊富なため、菌は衣類上でもさらに繁殖し続けて臭いはどんどん強くなります。
衣類を着用していない状態やまたはそれに近い状態(例えば例えば海やプール、公衆浴場など)では、汗臭はそれほど気になりません。
裸足で家の中にいるときも、靴や靴下で蒸れず菌が繁殖しないため、足の臭いも気にならないでしょう。
つまり、汗の臭いを強くして他人に伝わる臭いの主な原因となっているのは衣類なんです。
冬のニオイに注意
冬場の汗は実はにおいやすいのをご存知でしょうか?
暑い時期は汗をたくさんかくため、汗腺のろ過機能がしっかり働くので、汗は老廃物が少なく臭いが発生しにくい「良い汗」が出ます。
ですが寒い冬場はあまり汗をかかないため汗腺の機能が低下して、汗は老廃物を多く含む「悪い汗」をかきがちです。菌はその豊富な栄養をエサにして繁殖するので、汗のニオイが発生しやすくなります。
また、冬場の衣類はさらに臭いを強くする要素がたくさんあります。
防寒のために通気性の悪い服を厚着することで、衣類の中では菌が繁殖しやすくなります。
さらにニットやコートなど、洗いにくいものが多いためどうしても汚れや臭いも蓄積されがちです。
冬場も、ニオイ対策を怠らないよう注意しましょう。
体臭ケア・基本の対策
体臭ケアの基本は以下のとおりです。
身体を清潔に保つ
毎日身体を洗って清潔を保ちましょう。
ただしゴシゴシと強く擦り洗うのは、皮膚のバリア機能を破壊するので逆効果です。身体も頭皮もやさしく丁寧に洗うことを心がけてください。
汗をかいた場合は、なるべくこまめに拭き取るか着替えるようにしましょう。
汗腺を鍛える
臭いにくい「良い汗」をかけるように汗腺を鍛えましょう。
ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を習慣にしたり、お風呂で湯船につかるのも効果的です。
その際は積極的に水分をとって、水分不足にならないよう気をつけてください。
生活習慣をととのえストレスや睡眠不足を解消する
心身の疲れやストレス、動物性脂肪の多い食事は体臭を悪化させます。
睡眠不足、ストレス、疲労を解消して、心身の健康を保ち、動物性脂肪を控えめにしたバランスの良い食事、規則正しい生活を心がけましょう。
デオドラント剤を使用
肌に負担や刺激が少なく自分に合ったデオドラント剤でケアしましょう。
デオドラント剤は使い分けも大切です。汗には体温調節の役割があるので、全身の汗を止めてしまうことのないよう体全体に制汗タイプを使用してはいけません。
全身には菌の繁殖を防ぐタイプを使用して、汗をブロックするタイプのものはワキや足の裏など部分的に限定して使うようにしましょう。
汗で流れた場合は塗り直しましょう。
衣類への対策
今回お伝えしたとおり、他人に伝わる体臭対策の最大のポイントは「衣類」です。
衣類のケアがしっかりできていれば、臭いが発生しても広がらず他人には伝わりにくくなります。
通気性・吸水性のある素材の衣類を選ぶ
衣類上で菌を繁殖させないために、直接肌に触れるインナーやシャツは、吸水性・通気性のよいものを選びましょう。綿やコットン、ウールやシルクなど天然素材のものがおすすめです。
ポリエステルなど化学繊維は構造上、臭いがつきやすいため避けた方がよいでしょう。
また、皮膚と衣類は密着させず適度にゆとりを持たせるほうが蒸れが防げます。
ワキ部分は常に腕と胴に挟まれているので、温度や湿度が高くニオイが発生しやすい場所です。
しっかりわき汗を吸ってくれる汗取りパッドを使用するのもおすすめです。
衣類用デオドラントで衣類にもにおい対策を
衣類への対策は体臭ケアに最も効果的な方法です。外出前に衣類用デオドラントで対策しておくことで、一日中快適に過ごせます。
衣類用デオドラントを選ぶ際にチェックするポイントは以下のとおりです。
・衣類上で菌を繁殖させないよう、抗菌効果のあるものを選ぶと臭いの発生を抑えられます。
・肌に触れる衣類に使用するものなので、刺激や負担がないものを選びましょう。
・衣類に消臭効果を持たせるタイプは、周囲に伝わる臭いをしっかり防げます。
特にワキガの臭いが気になる人は、汗をブロックするタイプのデオドラント剤で脇汗を止めることに加えて衣類のデオドラントを併用するとより安心です。
衣類までしっかり対策して効果的に体臭ケアを!
体臭ケアにおいて、見落とされがちですが重要なのが衣類への対策です。
肌に負担が少ないうえ、効果も長持ちするので大変効果的です。
生活習慣を見直し、汗腺を鍛えるなどの基本の体臭ケアに加え、ぜひ衣類へのケアを取り入れてください。