「なぜかこの服のときだけ、体臭が気になる…」
「全身に汗をかいたのに、シャツだけがくさい…!」
「速乾性の素材のウェアなら、汗をかいてもサラサラなのに、どうして臭うの?」
「ワキガの臭いの強さが、着る服によって異なるのはなぜ?」
こんなふうに思ったことはありませんか?
今回はその理由と対策方法をご紹介します。
スポーツウェアやTシャツは臭いが発生する条件がそろう!
衣類の臭いは、モラクセラ菌が原因です。
菌が繁殖する条件は、適温、高い湿度、栄養分が豊富であること。
スポーツウェアやTシャツなどは、汗をかくシーンで着用する上、直接肌に触れるため、菌が繁殖しやすい状態になりがちです。
つまり、臭いやすい条件がそろっているのです。
臭いやすい特性の素材で作られている
ドライタイプの衣類が他のものよりも臭いやすいのは、使われているポリエステル素材の性質によるものです。
ポリエステルの特性について
ドライ生地(速乾性)の衣類によく使用されている素材は、合成繊維のポリエステルです。
繊維自体に吸水性・吸湿性が無い(水分を吸わない)ため、汗はすぐに乾きます。
生地自体が軽い上に、汗をかいても重くならないことや、濡れた服で体温が奪われる「汗冷え」の予防にもなります。
丈夫で長持ちし、シワになりにくくお手入れも簡単な上、手頃な価格で手に入るため、様々な衣類に使われています。
ポリエステル素材は機能的で便利な反面、臭いが発生しやすいのが難点です。
ポリエステル素材には、内部が空洞の中空繊維が多く使用されています。
このため、汗が乾いた後に細菌や汗に含まれる成分が繊維の内部に残りやすく、臭いが発生しやすい構造です。
また、繊維自体に吸水性が無く水分を含まないため、油分を付着しやすい性質があり、生地の表面には皮脂を吸着しやすくなるのです。
さらに吸水性が無いため、汗をかいた皮膚が蒸れやすくなり、細菌にとってはエサも水分も豊富で繁殖しやすい環境となります。
臭いやすい条件が揃ってる!
このように一部のスポーツウェアやシャツだけが臭うのは、直接肌に触れ汗をかく機会が多いことに加え、素材(ポリエステル繊維)の性質が原因です。
速乾性のものであれば、水分が蒸発する際に臭い物質が一緒に発散されるため、より周囲にニオイが伝わりやすくなります。
ポリエステルは機能性に優れ、スポーツウェアなどには最適の素材です。
ただしニオイが発生しやすい素材なので、シーンに応じて着用して、汗をかいたらすぐに着替えるのがよいでしょう。
また、皮膚が敏感な方は素材によっては肌荒れやかゆみなどが出ることもあるため、自分に合ったものを選んでください。
ポリエステル素材についたニオイを取る方法
ポリエステル素材のウェアについてしまった臭いをとるにはどうすればよいのでしょうか?
※ポリエステルは熱に弱いため、染み付いてしまった臭いを取る際は注意が必要です。
熱湯による煮沸消毒やアイロンや乾燥機を高温で使用する方法は、変形やシワの原因になるため避けましょう。
おすすめは酸素系漂白剤+お湯
臭いを取るには、酸素系漂白剤を使うのがおすすめです。
40℃くらいのお湯と規定の漂白剤を混ぜた中にしばらく漬け込んだあと洗濯します。(くれぐれも洗濯表示を確認してから行ってください。)
衣類用デオドラントを使う
衣類用の消臭剤を使う方法も手軽でおすすめです。
染み付いてしまった衣類のニオイがしっかり取れる「U-PARM(ユーパーム)」は、ポリエステルの衣類に染み付いたガンコなニオイもしっかり消臭できます。
スプレーした衣類自体がデオドラントウェアになるので、着用している間のニオイの発生もブロックします。
効果も長続きする頼もしい存在です。
これまで、何をしても消えなかった衣類のニオイでお困りの方はぜひ試してみてください。
どんな素材なら臭いにくいの?
ポリエステル素材は臭いが発生しやすいとこれまでご紹介しました。
体臭が気になる方は、普段のインナーシャツでもポリエステル素材は避けたほうがよいでしょう。
それではできるだけ臭いにくい素材は何でしょうか?
臭いにくいおすすめ素材は綿などの天然素材
臭いにくいのは、天然素材のものです。なかでも比較的乾きやすい綿(コットン)100%のものがおすすめです。
綿や麻、ウールなどの天然素材は、吸水性・吸湿性に優れています。
肌触りが良く、素材自体が汗や臭いを吸収してくれるため、臭いが外に伝わりにくく快適に過ごせるおすすめの素材です。
天然素材はここに注意
ただし天然素材は汗を大量にかく場合は水分で重くなったり、汗が乾きにくく汗冷えを起こすこともあります。
このためスポーツなどのシーンにはあまり適していません。
また吸水性がある反面、乾きにくくモラクセラ菌が繁殖しやすいため、洗濯時はニオイ対策を行うことをおすすめします。
ワキガ・体臭が気になる人におすすめなシャツは?
ワキガの臭いが気になる方におすすめなのは、綿(コットン)100%かつ、脇の汗を吸わせる袖のあるタイプです。
なぜ袖があるものがおすすめかというと、タンクトップなど袖が無いものは脇汗が吸収されず、臭いが外に出やすくなるから。
着用する場合は、脇汗パッドを使用することをおすすめします。汗を吸収してくれて、臭いが発散されるのを防げます。
素材の開発も進んでいます
最近は抗菌・防臭効果の高い素材も開発されています。
毎シーズン、さまざまなメーカーから新しい機能性素材の衣類が発売されていますね。
さいごに
衣類の素材には様々なものがあり、それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットがあります。
スポーツウエアやTシャツ、ポロシャツが臭いやすいのは、素材の性質が原因かもしれません。
ポリエステル素材の衣類は、機能性が高くスポーツ時には適していますが、臭いが発生しやすい一面も・・・。
普段使いには、臭いが比較的発生しにくい天然素材のものがおすすめです。
用途に応じた最適な素材の洋服を使い分けて、どんなときも快適に過ごしてください。