体のニオイは、皮膚上で細菌が汗や皮脂を代謝・分解して発生したり、皮脂の酸化によるものであったり、体内から発生するもの…等、様々な発生経路があります。
その中に、皮膚ガスというものが存在します。
皮膚ガスとは?
皮膚ガスとは、皮膚の表面から発散される気体(ガス)のことです。
皮膚ガスには100種類もの様々な成分が含まれますが、その人の体調、年齢、食事などを反映して変化します。
無臭の物質もありますが、ニオイのある物質が発散されると体臭として周囲に伝わることになります。
発生経路
皮膚ガスの発生経路は、
・皮膚の表面反応に由来するもの
・汗に由来するもの
・血液に由来するもの
に分けられます。
皮膚の表面反応によるもの
皮膚の表面反応とは、汗や皮脂を細菌が代謝・分解することや、皮脂が酸化されるといった反応です。
これによって発生するニオイは、汗臭やワキガ臭、足の臭い、加齢臭、ミドル脂臭などです。
汗に由来するもの
汗の中に成分が含まれ、汗として発散されるケースです。
強い臭い成分を含む食べ物を食べたときや、お酒を多く飲んだときのほか、内臓機能低下によるものがあり、ダイエット臭、疲労臭などがこれにあたります。通常、ニオイ成分は体内で分解されるため汗は無臭ですが、汗自体に臭いがする場合は体の不調を知らせるヘルプサインかも。詳しくは、汗自体が臭うケースで述べています。
血液に由来するもの
血液に由来するものとは、体内で血流にのった臭い物質が揮発して皮膚から直接発散されるニオイです。皮膚から直接揮発されるニオイの事を、皮膚ガスと説明していることが多いため、皮膚ガスという言葉から最もイメージしやすいですね。
ストレス臭がその代表的なものですが、その他にも、血流に乗ったニオイ成分は基本的にすべて皮膚ガスとしても発散されています。
つまり、汗自体が臭うケースが発生している際は、同時に、皮膚からも直接ニオイが発散されているのです。
疲労臭(アンモニア臭)、ダイエット臭(ケトン臭)、ニンニク、お酒、タバコなどが該当します。
皮膚ガスのニオイ対策
皮膚の表面反応によるものの対策
皮膚上の細菌の代謝・分解により発生する汗臭やワキガ臭、足の臭いなどは、発生場所や原因が明確で限定されるため、それぞれに応じた対策が可能です。
汗は拭き取り、ワキや足などの部分については汗をブロックしてニオイの発生を防ぎ、体全体の汗には消臭できるデオドラント剤を使用するなど。
ミドル脂臭や加齢臭については、生活習慣の見直しも含めつつ、発生しやすい頭皮や体の中心部分を重点的にケアしましょう。
汗に由来するものの対策
臭い成分を含む汗は拭き取ったほうがよいのですが、汗自体は体にとって大切な役割を持っているため、完全に止めるのはNGです。
デオドラント剤を使用する場合は汗を止めるものでなく消臭するタイプを。(このケースは同時に皮膚からもニオイが直接拡散されるため完全に消臭することは難しいですが)。
お酒の飲み過ぎや、臭いの強い食材によるものは、これらの原因を控えることで予防が可能です。
内臓機能の低下が原因の場合は、運動をしたり、休養をとって疲れを解消したり、食生活の改善など、根本的な対策をすることが健康面からも大切です(疾患が原因の場合は治療を)。
血液に由来する皮膚ガスの対策は?
血流にのって揮発して皮膚から拡散されるニオイは、洗い流したり拭き取ることができないため、対策が難しくやっかいなものです。部分的なデオドラント剤では効果がありません。
内臓機能の回復や疾病の治療など、体の中の根本的な原因を解決することが第一です。
その上で、有効な方法は、衣類に消臭機能を持たせる方法です。着ている洋服自体に消臭機能をつければ、衣類を通じて他人に伝わる臭いをブロックできます。
まとめ
体のニオイが発生する原因のひとつに「皮膚ガス」があります。体内で血流にのったニオイ物質は、揮発して皮膚表面からも拡散されています。汗自体が臭うケースは、同時に皮膚ガスとしても発散されています。
皮膚ガスのニオイは部分的なデオドラント剤では対策が難しいため、健康面を見直して根本的な改善を行い、その上で衣類に消臭機能を持たせる方法が有効です。