久しぶりに出したコートやスーツが、カビ臭い!?
衣替えのシーズンになると気になる、衣類のカビ問題。
「ちゃんと洗濯して収納していたのに、いつの間にカビが・・・?」
「クリーニングに出してから保管しておいたはずなのに、なぜ?」
カビ臭いニオイも、見た目も気になりますよね。
それだけでなく、吸い込むと健康を害するおそれもあります。
今回は、洋服のカビの原因とその対処方法についてご紹介します。
お気に入りの服にカビがついてしまった場合は、ぜひ試してみてください。
なぜ?洋服にカビがつく原因は
きちんと洗濯やクリーニングに出してから保管しているのに、カビがついてしまったという経験のある人は多いでしょう。
汚れていないはずの洋服に、なぜカビが生えるのでしょうか?
カビが発生する条件は、湿度(70%以上)・温度(20度以上)・栄養分が揃うことです。
高温多湿の日本では、年間の半分以上がこの湿度と温度を上回っています。
クローゼットやタンスの中は、空気の流れが悪くこもるので、湿度も温度も上がりやすい環境です。
また、衣類にはカビの養分が豊富です。
衣類についた汗や皮脂汚れはもちろん、洗濯しても繊維の奥に残った汚れ、洗剤のカス、付着したホコリまでもが、カビの養分になるんです。
なので、洗った衣類をタンスやクローゼットに保管しておくだけでも、カビが発生する条件は揃ってしまうのです。
洋服につくカビの種類は「白カビ」と「黒カビ」
衣類につくカビは、主に「白カビ」と「黒カビ」の2種類です。
(このほか、食べ物による汚れが原因で、緑色のカビが生える場合もあります)
そのニオイは、絵の具や墨汁にも似た独特のニオイです。
白カビ
綿ホコリのような白いものがついている・・・それが白カビです。
黒っぽい服につくと目立ちます。
白カビは、布の表面に広がっているので、比較的簡単に除去できます。
黒カビ
洗濯しても落ちない、黒く点々とした汚れ・・・それが黒カビです。
黒カビは、繊維の奥深くまで根を張っているので、一度つくと簡単に落ちません。
長期間、黒カビがついた状態が続くと、完全に取り除けないこともあるので、早めの対処が必要です。
洋服についてしまったカビの対処方法は?
発生してしまったカビを退治するにはどうしたら良いのでしょうか。
対処法は、カビの種類によって異なります。
白カビ
白カビは衣類の表面に付着しているので、比較的簡単に退治できます。
通常の洗濯だけも落とせることもありますが、消毒用のアルコールと酸素系漂白剤を使用するとしっかり除菌できて効果的です。
手順は以下のとおりです。
(※素材によっては色落ちすることがあるので、洗濯表示を確認してから行ってください)
1:洋服をはたいたり、ブラシで表面を払って、大まかに白カビを落とします。
(カビの胞子が空気中を舞うので、吸い込まないよう注意して屋外で行ってください。)
2:カビがついていた部分に、消毒用アルコール(エタノール)を吹きかける。
3:洗濯機に入れ、酸素系漂白剤と洗剤を規定量使って、洗濯します。
(40℃くらいのお湯を使うと効果的です)
4:洗濯後はしっかり乾燥させます。風通しの良いところで天日干しするのがおすすめです。
白カビの退治はこれで完了です。
ただし、ひとつでもカビのついた洋服が見つかった場合は、他の洋服にもカビが広がっている可能性が高いので、しっかり確認しましょう。
黒カビ
黒カビは、繊維の奥まで根をはった頑固で手強いカビです。
時間が経つほど落としにくくなるうえ、カビ自体が繊維にダメージを与えます。できるだけ早く対処しましょう。
落とす方法は以下のとおりです。
※素材によっては、漂白剤が使用できないものもあるので、必ず洗濯表示を確認してください。
※行う際は、換気をすること・手で直接漂白剤に触れないようゴム手袋を使用するなど注意してください。
1:バケツなどの入れ物に40度〜50度以上の熱めのお湯と、規定量の酸素系漂白剤を混ぜ、その中に洋服を入れます。
酸素系漂白剤は液体よりも粉末タイプのほうが強力なのでおすすめです。
2:30分程度、そのまま浸けこみます。
3:カビが落ちたか確認します。
落ちていない場合は、さらに30分ほど漬け込み、再度確認します。
これをカビがとれるまで繰り返します。
ただし、あまり長時間漬けすぎると生地を傷めるので、2時間以内を目安にしてください。
4:カビが落ちていれば、そのまま洗濯機に入れ、洗剤を使用して洗濯します。
5:洗濯後はしっかり乾燥させます。風通しの良いところで天日干しするのがおすすめです。
6:それでも落ちない頑固な黒カビの場合は、以下の2通りの方法があります。
・漂白剤と同分量の重曹を入れたお湯に30分ほど漬けてから洗濯する
・白無地で塩素系漂白剤が使用可能なものであれば、規定量の塩素系漂白剤を水に入れて漬け置きしてから洗濯する
ただし、生地へのダメージが大きく、破れたり穴あきの原因になるため、あまりおすすめできません。
大切な衣類はクリーニングに出して、プロにお任せしましょう。
黒カビは、落としにくいやっかいなカビです。どうしても落ちない場合もありますが、諦めるまえにぜひこの方法を試してみてください。
洗濯できない衣類の場合は・・・
洗濯できない衣類の場合は、クリーニングに出しましょう。
革製品については、家で洗う場合はこちらの記事を参考にしてください。
カビを発生させない【予防】が大切です
発生したカビをとる方法をご紹介しました。
ただし、発生してから時間が経った黒カビの場合、どうやっても(クリーニングに出しても)落とせないこともあります。その場合、残念ながらあきらめるしかありません。
そうならないためには、カビを発生させないことが一番です。
保存前に以下の対策で、しっかりとカビを予防しましょう。
保管する前は必ず洗う
一度でも着た洋服は、見た目はきれいでも、汗や皮脂、ホコリなどの汚れがついています。
そのまま収納するとカビの原因になるので、長期間保管する前は必ず、洗濯するかクリーニングに出してから収納しましょう。
(洗ってから保管しても、湿気がこもるとカビは繁殖してしまいます。でも、洗わないより洗ってから保管するほうがずっとカビ予防になります)
保管場所は掃除して清潔に
衣類を保管してある場所自体に、カビの胞子が潜んでいるかもしれません。
クローゼットやタンス・衣装ケースの中は、表面の汚れを落としてから、消毒用アルコールまたは次亜塩素酸水を含ませた布で拭き取り、カビを除去しましょう。
洋服を保管するのは、完全に乾いて湿気がなくなってからにしてくださいね。
湿気がこもらないように除湿・通気性を確保する
衣類の保管場所は、湿気がこもらないように除湿しましょう。
除湿機をかけたり、除湿剤を置くなど、保管場所に合った方法で行ってください。
定期的に陰干しするのもおすすめです。
洋服を収納するときは、びっしり詰め込むと通気性が悪くなります。
空気が通るよう、衣類は隙間をあけて収納しましょう。
保管する前にクリーニングのビニール袋をとる
クリーニングに出して返ってきたあと、ビニールの袋をつけたまま収納していませんか?
袋に入れたまま収納すると、湿度が高くなるので、せっかくクリーニングに出しても、またカビが発生する原因になります。
クリーニング後は、必ずビニール袋を外してから収納しましょう。
洗濯機を掃除する
洗濯槽にも、カビが潜んでいるかもしれません。
そうなると、いくら洗濯してもカビの胞子が衣類についてしまいます。
1〜2ヶ月に1回を目安に、カビ取り用クリーナーを使用して洗濯槽を掃除しましょう。
カビ防止効果のある除菌スプレーを使用する
収納前に、衣類用の防カビ剤や、衣類用除菌スプレーを使用すると、カビの発生を抑えることができます。
手軽に洋服をカビから守ってくれるので、とても便利です。
使用したあとは、湿気がこもらないよう、しっかり乾燥させてから収納するようにしましょう。
大切な洋服をカビから守って、長く快適に着よう
知らずのうちに発生してしまう、衣類のカビについて紹介しました。
発生した場合、カビの種類によって対処法が異なります。
白カビは比較的簡単に落とせますが、黒カビは長期間放置すると落ちないこともあるので、早めに対処しましょう。
何よりも、カビを発生させないように予防することが一番大切です。
しっかり対策して、お気に入りの大切な洋服をカビから守って、長く快適に着られるようにしましょう。