ウイルスや菌への効果が注目されている「次亜塩素酸水」は、消臭にも高い効果があります。
ただし、使用する際にはいくつか注意点があり、正しく使わないと効果を得られません。
今回は次亜塩素酸水を消臭に有効に使うための方法や注意点をご紹介します。
次亜塩素酸水とは
次亜塩素酸水は、有効塩素濃度(水溶液のpH値)によって、微酸性・弱酸性・強酸性の3つのタイプに分類されます。
強酸性・弱酸性のものは塩化ナトリウム水溶液を電気分解して作られ、微酸性のものは塩酸(必要に応じて塩化ナトリウム水溶液を加えて)を電気分解して作られます。
このうち微酸性のものは、食品添加物として厚生労働省に指定されています(ただし食品完成前に完全に除去される必要があります)。
高い酸化力でウイルスや菌に効果を発揮
次亜塩素酸水は有機物に触れると、水とわずかな食塩に分解されます。
このとき、触れた有機物のほうは酸化され、破壊されます。
有機物であるウイルスや菌・臭いの分子が破壊されることで、消毒や消臭ができます。
消毒効果・消臭効果は高く、消毒用アルコールが効きにくいタイプの菌やノロウイルスなども除去できるうえ、食べ物や生ゴミ臭・人体由来の臭い・トイレ臭・たばこ臭・ペット臭なども消臭できます。
反応するスピードが速いため素早く消毒でき、そのうえ皮膚へのダメージはほとんど無く安全に使用できます。
次亜塩素酸水と「次亜塩素酸ナトリウム水」は別物です
名前が似ているので混同されがちですが、次亜塩素酸ナトリウム水と次亜塩素酸水は別物です。
次亜塩素酸ナトリウム水は「次亜塩素酸ナトリウム」を水に溶かしたもので、塩素系漂白剤(ハイター)やカビ除去用洗剤の成分です。
次亜塩素酸ナトリウム水は強アルカリ性なので、酸性のものと混ぜると毒性の高い塩素ガスが発生するので取り扱いに注意が必要です。高濃度の塩素ガスを吸い込むと命に関わる危険性があるので、絶対に酸性のものと混ぜてはいけません。
また、次亜塩素酸ナトリウム水の殺菌効果は、塩素の力でタンパク質を分解して菌を破壊するものです。
菌だけでなく、皮膚の表面も分解されてしまうので手に着くと表面がぬるぬるするのはこのためです。皮膚にも有害なので直接触れないように注意しましょう。
使用する際の注意
正しく使えば安全で高い効果が得られる次亜塩素酸水ですが、まずは使用する際の注意点をご紹介します。
製品をしっかり確認する
さきほどもご紹介したとおり、次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウム水は名前が似ていますが別物です。
くれぐれも、間違えないようにしましょう。
各種通販サイトでは、安価な次亜塩素酸ナトリウム水の製品にも「次亜塩素酸水」というキーワードで検索に出るように設定されていることもあります。
さらに、製法や原材料・pHなどが曖昧で本当に次亜塩素酸水なのか疑わしい製品も出回っています。
購入する際は有効塩素濃度やpH・使用期限・使用方法などが明記されているかどうか確認しましょう。
対象物の汚れを除去してから使用する
次亜塩素酸水は酸化力が強いので、多くのウイルスや菌の対策に有効です。ですが有機物に触れるとすぐに反応するため、対象物が汚れていると汚れに反応してしまい、殺菌・消臭する前に分解されてしまい、効果を得られなくなるのです。
次亜塩素酸水自体には、汚れを浮かせて落とす洗剤(界面活性剤)の成分は含まれていないので、洗浄効果はありません。
対象物の汚れはあらかじめ拭き取ってから使用するようにしましょう。
保存期間や保存状態に注意
次亜塩素酸水は分解されやすい不安定な性質を持つので、長期の保存には向きません。
生成後はどんどん分解されるので多くの市販品の使用期限は短かく、必要未開封の状態でおおよそ6ヶ月、開封後はおおよそ3ヶ月ほどです。
使用期限内であっても時間が経つにつれ成分がどんどん分解されるので、表示されている濃度と実際の濃度が異なる可能性があることも留意しましょう。
紫外線や保管環境によっても分解が促進されるので、遮光ボトルに詰めて日光の当たらない冷暗所で保存するなどの注意も必要です。
気になるニオイ対策に次亜塩素酸水を活用
次亜塩素酸水はドアや家具、調理器具など主に身の回りのものの消毒に使われていますが、消臭効果もすぐれています。気になるニオイ対策に有効に活用しましょう。
濃度はそれぞれの製品の説明を確認して調整してください。
濃度の単位はppmで記載しています。ppmとは100万分の1ですので、100ppm=0.01%となります。
家の中をすっきり清潔に!消臭&菌の除去
家の中の気になるニオイは次亜塩素酸水で消臭できます。
はじめに汚れを取り除いたあとおこなってください。
安全性が高いので、小さい子供やペットがいる家庭でも使いやすいのが特徴です。
ただし、お子様や動物が口に入れたり体に直接使用しないように注意してください。
・ソファ・車のシート・カーテンなどの布製品
汚れがあれば拭きとってから行います。
濃度100ppmの次亜塩素酸水を全体にスプレーしたあと乾かします。
生地によっては色落ちすることもあるので、目立たない箇所で試してから行ってください。
・キッチン周り
まな板や調理器具、台所のシンク流しの三角コーナーや排水溝など、菌が繁殖しやすいキッチンまわりに使用する場合は、濃度200ppmの次亜塩素酸水を吹き付け、その後水ですすぎます。
掃除のあとの習慣にして、清潔に保ちましょう。
・トイレなどのアンモニア臭に
便器や便座・壁や床に染み付いたニオイの消臭には、掃除したあと濃度100〜200ppmの次亜塩素酸水を吹き付けます。そのあと柔らかい布やペーパーで拭き取ります。香りの強い芳香剤でごまかさず、臭いの元を分解できます。
靴の消臭
靴やスリッパに染み付いてしまった臭いも、次亜塩素酸水で消臭できます。
対象の履き物の内側の汚れを拭き取った後、濃度100ppmの次亜塩素酸水をすみずみまで吹き付けます。
その後、しっかり乾燥させてから使用してください。
以前ご紹介した、アルコールで靴をの消臭する方法と同様です。
高い効果があるけど効果は持続しないので注意
次亜塩素酸水は即効性と高い消臭力を持つものの、分解されやすい性質を持っています。
そのため効果は持続しません。除菌・消臭したい場合は、その都度使用する必要があります。
そのため、衣類の汗などの臭い対策にはあまりおすすめできません。
汗に含まれる老廃物や皮脂は時間の経過とともに雑菌によって代謝・分解されて臭いが発生するので、衣類の臭い対策には効果の持続性のある専用の製品を使うのがおすすめです。
おすすめ製品:高い効果と安全性を兼ね備えた【U-PARM】
衣類にスプレーすれば高い抗菌効果で臭いの発生を防いでくれます。
それでも発生した臭いはしっかり消臭。持続性も高いので一日中臭いが気になりません!
次亜塩素酸水の特徴を知って消臭に有効活用
次亜塩素酸水は、正しく使用すれば高い効果が得られます。
今回ご紹介した注意点や使い方を参考に、身の回りの消毒だけでなくいやな臭いの消臭にも有効活用して清潔で快適な暮らしに役立ててください。