「若い頃は気にならなかったのに、最近は体臭が気になる・・・」
「自分からおじさんのようなニオイがする」
アラサー、アラフォー世代の女性でも、こんな悩みをもつ人が増えてきます。
加齢臭やミドル脂臭は男性のものというイメージがありますが、女性にも発生します。
誰でも年齢とともにニオイは変化しますが、今回は女性の体臭はなぜ変化するのか?そして、どんな対策があるのかを解説します。
加齢臭やミドル脂臭は男性だけのものではない!
加齢臭やミドル脂臭は「おじさんのニオイ」などと表現されるように、男性特有のものというイメージがありますが、そうではありません。
条件が揃えば、女性にも発生するんです。
女性にも発生する「加齢臭」
加齢臭は、ろうそく、枯れ草、古い本、線香などに例えられるニオイです。
皮脂の酸化により発生した「ノネナール」が原因です。
皮脂の酸化を抑えるはたらきを持つ女性ホルモンの分泌が盛んなときは、ノネナールが発生しにくい状態といえます。
ですが加齢により女性ホルモンが減少すると、皮脂が酸化しやすくなるので、加齢臭が発生しやすくなるのです。
人によっては、男性以上に加齢臭が強くなることも・・・。
ノネナール自体はそれほど不快なニオイではありませんが、どんなニオイであっても強すぎるニオイは不快になります。
また、汗臭やミドル脂臭など他の臭いと混じることでより強く不快なニオイになるので気を付けたいところですね。
男性だけじゃない!働く女性も要注意の「ミドル脂臭」
ミドル脂臭とは、古い油や発酵した乳製品に例えられる不快なニオイです。
主な原因は、「ジアセチル」と、「中鎖脂肪酸」。
「ジアセチル」は、疲労やストレスが蓄積されると体内に乳酸が発生して、それが細菌に分解されることで発生します。
また、運動不足や偏った食生活など生活習慣の乱れにより、皮脂の分泌が過剰になります。
「中鎖脂肪酸」は皮脂が細菌に分解されて発生するので、生活習慣が乱れている人は発生しやすいのです。
つまりミドル脂臭は、疲労やストレスを抱えている人や生活習慣が乱れていると、発生します。
決してミドル世代の男性だけのものではありません。
女性であっても、若くても、条件がそろえばミドル脂臭は発生するんです。
若い女性に特有の甘い香りの原因物質「ラクトン」。女性の体臭の変化に大きく影響します
「若い女性は甘い香りがする」と聞いたことがありませんか?
これはイメージではなく、本当にそうなんです。
最近、ロート製薬により、若い女性に特有の甘い香りの体臭成分「ラクトン」が存在することが発見されました。
ラクトンの香りは「SWEET(スウィート)臭」とも呼ばれ、桃やココナッツのような甘さで、若々しい好印象を与える香りと言われています。
ラクトンは、加齢臭の原因物質ノネナールをおさえる効果や、美肌効果など嬉しい作用のある成分です。
ですが、ラクトンは10代の後半をピークに、年齢とともに減少してしまいます。
つまり、年齢とともに、いいニオイがしなくなってしまうんです・・・。
女性で、年齢とともに体臭が変化すると感じられるのは、この影響もあるのです。
女性ホルモンの減少で皮脂が酸化しやすくなる
年齢による体臭の変化には、女性ホルモンの分泌量も影響しています。
女性ホルモンには、皮脂の分泌を抑える・分泌された皮脂の酸化を抑えるなどのはたらきがあります。
女性ホルモンの分泌量は、思春期から増えて、20代をピークに、その後年齢を重ねるとともに減少します。
個人差はありますが、アラフォー世代から徐々に女性ホルモンが減少し、バランス的には男性ホルモンが有利になります。
女性ホルモンが減ると、皮脂の分泌が多くなります。
年齢を重ねると抗酸化力が弱まるため、分泌された皮脂は酸化しやすくなります。
このため、年齢を重ねることで酸化した皮脂が増え、ミドル脂臭など皮脂由来のニオイが発生しやすくなるのです。
若い人であっても、疲労やストレス・無理なダイエットなどの影響からホルモンバランスを崩すと臭いやすくなるので、注意しましょう。
酸化した皮脂は、頭皮のニオイの原因にもなります。
身長が低い方は、頭の位置が身長が高い人のちょうど鼻の位置にきてしまうため、ぜひ注意したいところですよね。
更年期のホットフラッシュの汗は臭いやすいので注意
更年期の女性は、顔や体がほてり大量の汗をかく「ホットフラッシュ」という症状が起こることもあります。
ホットフラッシュでかく汗は、老廃物が多く含まれ、ニオイが発生しやすい「悪い汗」です。
その他、更年期はイライラしてストレスを抱えがちなため、ストレス臭なども発生しやすく、体臭には注意が必要な時期と言えるでしょう。
バリバリ働く女性が増えた社会背景
昨今、女性の「オス化」が話題になっています。
「バリバリ働くうちに体毛が濃くなった!」「ヒゲが生えた!」
などの声を聞きますが、原因は疲労やストレスによるホルモンバランスの乱れです。
「ヒゲ」といっても実際は男性と全く同じひげが生えるわけではなく、口周りのうぶ毛が濃くなっているのですが・・・
「オス化」の自覚があるという人は、体臭にも注意しましょう。
体に疲労やストレスが蓄積されている状態は、体内からイヤな臭いが発生しやすい状態でもあります。(疲労臭やストレス臭など。)
ホルモンバランスが乱れることで、よりニオイが強くなる悪循環になるのです。
女性も要注意!加齢臭やミドル脂臭の対策は?
誰しも、年齢とともに体臭は変化しますが、特に女性はホルモンバランスの変化にともなう影響が大きいのです。
でも、イヤなニオイはしっかり対策して、いつまでもいきいきと過ごしたいですよね。
日常生活で心がけるポイントは以下のとおりです。
良質な睡眠をとる
ホルモンバランスを整えるために最も大切なのは、良質な睡眠をとること。
規則正しい睡眠リズムは自律神経を整え、その結果ホルモンバランスも整います。
眠りが浅い・寝付けないという人は、適度な運動や入浴・安眠効果のあるアロマの利用や、快適な睡眠環境づくりなどの工夫をしましょう。
ストレスを解消する
ストレスは、体のホルモンバランスを乱すうえ、「ストレス臭」を発生させます。
さらに、ストレスが原因でかく汗は、老廃物が多く含まれる「悪い汗」なので、体臭を悪化させます。
体臭対策の観点からも、ストレスをため込むと良いことはひとつもありません!
睡眠や休養をしっかりとり、気分転換して、心身ともに健康を保ちましょう。
バランスのとれた食事を。特におすすめの食材は?
体臭対策の基本は、肉食に偏らず緑黄色野菜多めのバランスのとれた食生活です。
その中でも、特に大人女性におすすめの食材はこちらです。
・クエン酸を含む食品(お酢や柑橘類、梅干しなど)
乳酸の生成を抑える作用があるため、ミドル脂臭の予防になります。
・キノコ類、果物、緑黄色野菜などのアルカリ性食品
抗酸化作用のあるアルカリ性食品も乳酸の生成・皮脂の酸化を抑えるのでミドル脂臭の予防に効果的。
・良質の油
皮脂の酸化を防ぐためには油にもこだわりましょう。亜麻仁油やココナッツオイルなど、酸化しにくい良質な油を摂りましょう。お菓子や加工食品には酸化しやすい油脂が多く含まれているので控え目に。
・ショウガや根菜類など
体の冷えは大敵です。体を温める効果のある食材も多く摂りましょう。
・乳酸菌や食物繊維(ヨーグルトや海藻類)を多く含む食品
腸内環境を整え、体内からのニオイを予防しましょう。
・イソフラボンを含む大豆製品
大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをします。美容効果や更年期症状が気になる人にもおすすめです。しっかり睡眠をとり運動する習慣があり、継続して大豆イソフラボンを摂る人は、腸内でイソフラボンが「エクオール」に変換され、より効果が高くなります。
・あんずやもも、ヨーグルトなど「ラクトン」を含む食品
年齢とともに失われる良い香りの成分「ラクトン」は、食べ物から多少補えます。
まとめ
年齢とともに、誰でも体のニオイは変化します。
女性が年齢を重ねるとともに「以前とは違うニオイがする・・」と感じるのは、若い女性特有のニオイ成分が減少することや、女性ホルモンが減少することで皮脂由来のニオイが増加することが大きく影響しています。
また、忙しくストレスの多い現代日本の女性は、疲労やストレスをためこみがちなので、比較的若いうちからミドル脂臭も発生しやすいと言えます。
心身ともに健康を保ち、いつまでも活き活きと自信を持って過ごせるよう、しっかりと対策を行いましょう。