しばらくマスク生活が続きますが、「自分も周りの人もマスクしているから臭いは相手に伝わらない」と考えていませんか?
つい油断して、体臭ケアがおろそかになっている人もいるかもしれません。
ですがマスクをしていても、嫌なニオイは相手に伝わります。
今回の記事ではその理由と、マスク生活で注意したい臭いについてご紹介します。
マスクをしていてもニオイはすり抜ける!
マスクをしていても、臭いは完全にシャットアウトできません。
臭いの粒子はとても小さいのでマスクをすり抜ける
市販のマスクはフィルターとして有害物質や花粉・ほこりが私たちの体に侵入するのを防いでくれます。
マスクの繊維の隙間よりも小さい有害物質や花粉の粒であっても、静電気の力で繊維の表面に付着させて内部に入るのを防いでいます。100%ではありませんが、ウイルスや花粉の予防に効果があります。
ですが臭い分子は、花粉やほこり、さらにはウイルスよりもずっと小さいので、マスクをすり抜けてしまいます。
マスクの隙間から有害物質もにおい粒子も通りぬける
マスクをしていても、多くの人は鼻の横、あごの下・頬の横などマスクと顔との間に隙間があります。
隙間があると空気が通るので、有害物質はもちろん、臭いもすり抜けてしまいます。
マスク越しでも嫌なニオイは伝わりやすい
上記でご説明したとおり、マスクをしていても臭いは伝わります。
マスクのフィルター機能により多少は軽減されますが、汗やわきがの臭いは相手のマスク越しに伝わるし、自分の口臭はマスクの外に漏れているのです。
人間は不快なにおいに対しては、本能的に危険を回避しようとして敏感になります。
近付いたり食べてはいけない危険なものの臭いは、わずかな量でも感知できる傾向があります。
これを「閾値が低い」といいます。
閾値が低いのは有毒物質だけではありません。人間の体臭の中にも閾値が低い物質は含まれるのです。
汗に含まれるアンモニアや酢酸、足の臭い成分であるイソ吉草酸、口臭の成分であるメチルメルカプタンなどは閾値が低いので、わずかな量でも臭いが伝わります。
このように、マスク越しでも嫌な臭いは他人に伝わりやすいものです。
自分も周りもマスクしているからといって油断せず、しっかりケアしましょう。
マスク生活で特に注意したい臭いとは
汗やわきがのにおいはもちろんですが、マスク生活で発生しやすく特に気をつけたいのが口臭です。その理由と対策をご紹介します。
理由1:マスクでドライマウスになりやすい
マスクをつけていると、のどの渇きを感じにくくなるため水分が不足して唾液の分泌が減り、口腔内が乾燥します。
また、息苦しさから無意識に口呼吸になってしまいがちですが、これも口腔内が乾燥します。
口腔内が乾燥した状態「ドライマウス」になると、口の中の常在菌バランスが崩れるので、歯周病・口臭が発生します。
※口呼吸はフィルター機能を持つ鼻を通過せず、しかも湿度の調整もされないので、菌やウイルスが含まれた乾燥した空気が気道や肺に送られます。感染症予防の観点からも口呼吸は良くありません。
理由2:ニンニクなど臭いの強いものを食べることが増えた
また、「マスクしているから大丈夫」と考えている人が多いせいか、近年ニンニクなど臭いが強い食べ物の売り上げが急増しているそうです。
臭いの強い食べ物を食べたあとは、汗や呼気にもニオイ成分が含まれます。
一時的なものとはいえ、人と会う直前は気をつけたいですね。
理由3:口腔ケアがおろそかになりがち
「マスクで口臭は防げる」という思い込みや「外出を控えたい」という思いから、普段の口腔ケアがおろかになったり、歯科医院に通うのをやめてしまった人が増えたそうです。
対策は?
・水分不足からドライマウスにならないよう、意識的に水分を補給しましょう。唾液の分泌を促すためにガムを噛む・タブレットを舐めることも有効です。
・鼻呼吸を意識する
マスクをしていると無意識に口呼吸になりがちなので、マスクの中では意識的に口を閉じて鼻で呼吸するようにしましょう。
・人と会う前はニンニクなど臭いの強い食べ物は控えめに。
気になる場合は、臭いの中和作用がある食品(リンゴ・緑茶・牛乳)を前後に摂るなどの対策を。
・日頃の口腔ケアを大切にしましょう。
・こまめな歯磨きをおこない歯垢をしっかり落としましょう。強く磨きすぎるとエナメル質や歯茎を痛めてしまうので、力を抜いて小刻みに丁寧に行いましょう。
歯ブラシだけでは落とせない歯の間や歯茎の溝にたまった汚れはデンタルフロスや歯間ブラシを使います。
舌に溜まった細菌のかたまり「舌苔(ぜったい)」は舌を傷つけないようにやさしく除去しましょう。
・歯科で定期的なメンテナンス
上記の毎日のセルフケアに加え、定期的に歯科医院に通って検診を受けたり歯石除去・クリーニングを受けるのがおすすめです。
マスク生活でもにおいケアを怠らないようにしましょう
マスクをしていても、臭いは相手に伝わります。マスクの隙間やマスクのフィルタ越しにも、におい粒子は通過します。
もちろん、ウイルスや花粉などを防ぐためには、マスクを隙間なく正しく着用することは大切です。
ですがニオイ問題の根本的な解決は、マスクの使い方ではなく臭いのケアが必要です。
マスク生活でも油断したり怠ることがないように、嫌な臭いはしっかりケアしましょう。