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2021.09.30

温度・湿度とにおいの伝わりやすさの関係について

においの感じ方は、人によって大きく異なります。

一般的には男性より女性の方が嗅覚が鋭い傾向ですが、個人差が大きく、体調によっても左右されます。また、感知できるにおいも人によって異なります。

では、個人の嗅覚のほかに、においを感じやすく・伝わりやすくなる外的条件はどのようなものでしょうか?

今回はその条件をご紹介しますので、気になるニオイのケアの参考にしてください。

 

温度

温度は臭いの伝わりやすさに大きく関係しています。

ニオイの分子は、揮発性の性質があります。これは、蒸発して気体にないやすいという性質のことです。
温度が高くなるほど、揮発性は高くなります。
つまり温かいほど、気体になったニオイ分子が拡散して、臭いが周囲に伝わりやすくなるのです。

例えば、熱いコーヒーは周囲にしっかりと香りが漂いますが、冷めたコーヒーであればそれほど香りを感じませんよね。お魚や肉も冷凍した状態であればあまりにおいを感じませんが、常温になると生臭さがわかると思います。

これは体臭であっても同じことがいえます。
暑い時期は汗をたくさんかくだけでなく、発生したニオイが伝わりやすいので、注意したいですね。

 

湿度

湿度もまた、ニオイの伝わりやすさに大きく関係しています。

乾燥した状態では、におい物質はすぐに広範囲に散るので濃度が薄まりあまりにおいを感じません。
ですが、におい物質は水にも溶けやすいため、湿度が高い状態では、におい物質は水蒸気の中に含まれた状態となり散らずにその場に留まるので、においを感じやすくなるのです。

例えば、雨が降る直前には雨の匂いを感じる人も多いかと思いますが、この原因は植物が土の中で分泌している「ペトリコール」という物質の匂いです。
普段はこの匂いをほとんど感じませんが、雨が降りはじめ湿度が上がることで水蒸気の中に匂いが含まれて感知できるようになるのです。(本格的に雨が降るとぺとリコールは流されてしまうのでにおいを感じなくなります)

また、動物の嗅覚は、湿度が高いほど敏感になります。
私たち生物の鼻にある「嗅細胞」は適度な湿度がある場合のほうがしっかりと匂いを感じとるからです。
犬などの動物の鼻が湿っているのも、より敏感に匂いを嗅ぎ取るためです(その他にも体温調整などの役割もありますが)。

 

高温多湿な日本の気候はニオイが伝わりやすい

このように、ニオイの伝わりやすさには「温度」と「湿度」が大きく関係しています。

高温多湿な日本の気候は、においが伝わりやすい条件が揃った環境です。
特に梅雨の時期や夏の天気が悪い日はなおさらです。

 

香害にも注意

欧米でつくられた香水は、乾燥した気候に合わせて作られているため、日本で使用すると強くなりがちです。

海外旅行先で良い香りだと思って買った香水が、帰国して嗅いでみると「強すぎる」「なんだか香り立ちが違う」・・など違和感を感じるのも、気候条件が異なるためです。

香水や柔軟剤を使う際にはくれぐれも注意しましょう。

 

臭いの原因菌が繁殖しやすい

高温多湿な環境は臭いの「伝わりやすさ」だけでなく、臭い物質を作り出す菌が好む環境でもあります。
このため、繁殖しやすくなった菌が汗に含まれる成分を代謝・分解して、臭い自体も発生しやすくなります。

汗臭、わきが臭、足臭などはもちろん、汗をかいたあとの衣類は乾きにくく湿った状態が続くため、生乾き臭(雑菌臭)まで発生してしまいます。

特に夏場は、においがより伝わりやすくなるうえ、ニオイ自体もより発生しやすい環境です。
人が生きている限りある程度の臭いは仕方ないとはいえ、周囲に不快な思いさせないよう、しっかり対策しましょう。

 

気になる体のにおいはしっかりケアを!

気になるにおいの基本的な対策は、以下のとおりです。

 

・体を清潔に保つ

毎日身体を洗って清潔に保つことは基本です。汗をかいたらこまめに拭き取るようにしましょう。

 

・デオドラント剤を使用する

全身には菌の繁殖を防ぐ効果のあるもの、ワキや足の裏には汗をブロックする「制汗」タイプのものがおすすめです。

 

・衣類への対策

体の臭いは衣類を通して他人に伝わります。菌が蓄積するので衣類自体が匂いの発生源になることも多くあります。衣類への対策も忘れてはいけません。
汗をかいたら着替えるのがベストですが、あらかじめ衣類用のスプレー等で対策しましょう。

何度も着用した衣類は、皮脂などの汚れが繊維の奥に入りこんでいます。
特にポリエステルなどの化学繊維は、洗濯しても繊維の奥に汚れとともに繁殖した菌が残りやすいので、洗っても落ちない臭いの原因になることも。
定期的に酸素系の漂白剤をお湯に混ぜた中に漬け込みしっかりと除菌するか、抗菌科の高い衣類用のスプレーなどでこまめにケアすることをおすすめします。

詳しくはこちらでご紹介しています。

 

冬場は汗腺が衰えないように注意!

冬場であれば温度も湿度も低くなるので、屋外であればニオイは比較的伝わりにくくなります。

ですが、冬場は汗自体がにおいやすくなることに注意しましょう。

寒くなると汗の量は減るものの、汗腺が衰えることで老廃物が多く含まれ臭いやすい「悪い汗」をかきがちです。水分補給を怠りがちなことも、汗に含まれる老廃物が濃くなる一因です。

冬場であっても、ニオイケアを怠らないようにしましょう。
積極的に水分をとって脱水状態にならないように気をつけたり、有酸素運動で積極的に汗を流したりお風呂の湯船につかるなど、「良い汗」をかけるよう汗腺を鍛えましょう。

また、厚着した衣類の中は、動いたあとや暖房のきいた部屋の中で蒸れるため菌が繁殖しやすくなります。
保温力の高い機能性インナーは、素材の特性上臭いが発生しやすいので注意しましょう。詳しくはこちらでご紹介しています

 

しっかりケアして一年中快適に過ごしましょう

においは温度・湿度が高いと伝わりやすく、感じ取りやすくなります。

高温多湿な日本では、特に夏場は臭いが伝わりやすい条件が揃います。

体臭を気にせず快適に過ごすためには、しっかりケアをしましょう。

夏場に汗をかいた時の対策はもちろん、冬場は生活習慣に注意して良い汗をかけるようにしましょう。

一年中気が抜けないように聞こえますが、健康のためにも大切なことばかりですし、手軽にできることばかりです。健康で快適な生活のためにぜひ実践してください。

 

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