私たちが毎日の習慣として何気なく行っている入浴やシャンプーは、体や髪を清潔に保つことの他にもさまざまな効果があります。
1日のうちいつ入浴するかによって、心身への効果が異なります。
体臭ケアに効果的なのは、朝風呂と夜風呂どちらでしょうか?
今回の記事では、それぞれのメリットやデメリットをふまえてご紹介します。
朝風呂・朝シャンのメリット
夜遅くに帰宅した場合、入浴は朝になることが多いでしょう。
朝の入浴はどんなメリットがあるのでしょうか。
眠気を覚ましてスッキリ!
朝、起きたばかりでまだ頭がぼんやり・・・そんな状態のとき、42度ほどの熱めのお湯で体を温めると、体温が上がり血行が良くなります。
人間が活動するときにはたらく「交感神経」が刺激され、眠気が覚めて体が活動モードに切り替わります。
スッキリ目覚めて活動的な気分で1日をスタートさせることができますね。
夜にかいた汗を洗い流せる
眠っている間にたくさん汗をかいた場合は、汗もニオイもさっぱりと洗い流すことができます。
ただし、忙しいからといって、水分が肌に残ったまま洋服を着たり、髪をしっかりと乾かさないまま出かけると逆効果です。湿度が高い状態の衣類や頭皮は菌が繁殖してニオイが発生しやすくなります。
入浴後は肌の水分をしっかり拭き取り、髪の毛もしっかり乾かしましょう。
また、朝風呂で体温が上がることで、汗をかきやすい状態になります。
体臭予防のためには、体も髪も洗った後はしっかりと水気を拭き取り、外出するまでの間に体温を下げましょう。
朝風呂・朝シャンのデメリット
朝風呂は、体の状態によってはリスクが高まるため注意が必要です。
また、体臭ケアの面では良さそうに思われがちですが、実はそうではありません。
血圧があがる・ヒートショックの危険がある
ヒートショックとは、急激な温度差により血圧が激しく変動して、心臓や脳にダメージを与えることです。
冬場のお風呂は朝晩どちらもヒートショックに注意が必要ですが、特に朝風呂は危険が高まります。
朝は体を活動状態にするために血圧が上がるので、ヒートショックのダメージがより大きくなるのです。
特に、高血圧や心臓・脳に疾患のある人は注意が必要です。
長風呂は副交感神経が刺激され、かえって眠くなる
最初にご紹介したとおり、朝風呂は交感神経を刺激して目覚めさせてくれます。
ですが、時間が長すぎると逆効果になります。
長くお湯につかると心身がリラックスして「副交感神経」が刺激され、体を休めるモードになるので、かえって眠くなります。
仕事前に朝風呂に入る場合は、短時間で済ませるのが良いでしょう。
皮膚だけでなく枕や布団に菌が繁殖する
1日の汚れをを落とさずにそのまま眠ってしまうと、枕や布団にも菌が付着したり繁殖しやすくなります。
枕や布団にニオイが染み付くうえに、外部からの汚れや菌まで付着するので衛生的にも良くありません。
抜け毛・ダメージ・頭皮のニオイの原因に!
髪を洗わずに汚れが残ったまま夜寝てしまうと、頭皮の環境が悪化して抜け毛の原因になります。
頭皮のニオイにも要注意です。
朝にシャンプーするほうが頭皮のニオイが予防できそうに思えますが、実は逆効果なんです。
忙しい朝にシャンプーすると、時間がないからといってすすぎや乾燥が不充分になりがちです。
その状態でさらに汗をかくと、菌はより繁殖しやすくなり、頭皮のニオイの原因になるんです。
さらに、シャンプー直後の頭皮は、皮脂膜のバリア機能が充分に働いていません。
その状態で外出すると、紫外線や乾燥によるダメージを受けやすく、髪にも頭皮にも良くないのです。
頭皮や髪のことを考えると、朝のシャンプーはあまりおすすめしません。
行う場合は時間に余裕をもって丁寧に行い、しっかり乾燥させてダメージを防ぐ工夫をしましょう。
夜風呂・夜シャンプーのメリット
夜遅くに帰宅したときなどはお風呂に入るのは面倒に感じることもありますが、ゆっくりとリラックスして入浴することは健康面でも体臭ケアの面でもおすすめです。
ポイントは、ぬるめのお湯にゆったりと浸かること。
時間をかけられる夜風呂ならではのリラックスタイムですよね。
疲労物質を減らして体の中からニオイを軽減
日中の疲労により、体内には乳酸が蓄積されます。乳酸が溜まると汗が臭いやすくなったり、ミドル脂臭の原因になります。
夜にゆっくりお湯につかると、心身ともにリラックスして血行が良くなり、体にたまった乳酸を減らす作用があります。
疲れやストレスの解消ができるうえ、体臭予防にもとても効果的です。
寝つきを良くし、睡眠の質を高める
お風呂で温まりリラックスすると、「副交感神経」が刺激され、脳は体を休めるモードに切り替わります。
副交感神経を刺激するお湯の温度は、41度以下が目安です。
夜にぬるめのお湯に浸かることは、良質な睡眠をもたらしてくれるのです。
また、私たちの体は、一度上がった体温が下がるとき眠くなります。
入浴で体を温めたあとに徐々に体温が下がることで、スムーズに眠ることができます。
目安として、眠る時間の90分前の入浴が最も効果的です。
汗腺が鍛えられる
湯船につかると汗腺が鍛えられるので、含まれる老廃物が少なく臭いにくい「良い汗」をかけるようになります。
入浴前には水分補給をしましょう。
汗腺を鍛えることは、体臭予防でとても大切なことです。詳しくはこちらの記事でご紹介しています。
夜風呂・夜シャンプーのデメリット
夜風呂のデメリットはそれほどありませんが、食後や飲酒後など、タイミングによっては注意が必要です。
食後すぐの入浴は消化不良の原因に
食後すぐに入浴すると、血液は体の表面に集まってしまい、消化に必要な血液が胃腸に不足します。
すると胃腸の活動が鈍くなり、消化不良を起こす原因になります。
飲酒直後の入浴は危険
お酒を飲んだ直後の入浴は危険なため避けましょう。
体が温まることでさらに酔いが回るうえ、肝臓に血液が集まらないためアルコールの分解を妨げます。
また、脳や心臓に送られる血液が減少することで、発作を起こすリスクが高まります。
そのうえ、アルコールの作用で血管が広がり血圧が下がった状態の体が、お風呂で温まることでさらに血圧が下がり、意識障害などのリスクも高まります。
さらに、アルコールの水分排出作用のため、脱水状態を招きます。
このように、お酒を飲んだ直後の入浴は多くのリスクがあり危険です。
入浴する場合はおおよそ2時間以上経過してから、しっかりと水分補給をした上で注意して行いましょう。
健康面・体臭ケアの面からは夜風呂がおすすめ!
朝風呂と夜風呂、それぞれのメリット・デメリットや注意点をご紹介しました。
遅い時間に帰宅してその日はすぐに寝てしまい、翌朝には忙しいのでシャワーを浴びて出かけるという生活スタイルの人が増えています。
ですが、健康面・体臭ケアの観点からは、夜にぬるめのお湯にゆったり浸かって入浴するのがおすすめです。
朝の眠気を覚ましたい場合・夜に汗をたくさんかいた場合は、夜風呂に加えて、朝に熱めのお湯で短時間で入浴すると良いでしょう。
それぞれの注意点を守りながら、生活習慣や好みに合った快適で有意義なバスタイムを過ごしてください。